◆楽譜

1. 乙川利夫 ギター作品集

作曲者本人、ギター・楽譜浄書に取り組む楽譜点訳ボランティア2人とビー・ミュージックで、乙川利夫作品の公開推進チーム「Oto'sプロジェクト」を結成しました。この場に順次作品を公開していきます。

墨字五線譜は、Piascoreからも購入できます。

乙川利夫作品 参考HP:「ギター&音の世界」http://fuuoto.html.xdomain.jp/

 

1-27 花の歌 G.ランゲ

 

楽曲解説 

 原曲はピアノの小品です。点字楽譜に訳しているとき思いついてギター用に編曲してみました。

 原曲の持つ雰囲気を損なわないように、限られたギターの音域に収まるように活かす音省く音を、考えていくのは楽しい作業でした。いくつかの調への移調を試みてイ長調に落ち着きました。強弱等の用語は原譜のままとしています。

 曲は弱起ですが、冒頭から8小節が主部で3回現れます。第9小節からは並行短調となって曲想が変わります。第18小節のカデンツァは、pで下がりiで上るように表記していますが、その他の奏法も考えられるかもしれません。

 第19小節から主部が再現し、第27小節からはニ長調に転調します。ハイポジションで弾きにくい箇所ですが、歯切れの良いスタッカートと連続する和音をうまく表現してください。

 第45小節から主部が現れ、第52小節からコーダです。アンコールの曲としてレパートリーに加えていただければと思います。

 

運指・浄書協力:Oto's プロジェクト

動画はPC音源の自動演奏です。 

点字楽譜(音符法Ⅰ、和音は上から)BSEファイル 240円(楽譜番号 OT-00001)

墨字五線譜 PDFファイル 240円(楽譜番号 OS-00001) 

 

1-28 『山の音楽家』による変奏曲 Op.26

 

楽曲解説 

 皆様おなじみの曲を変奏曲としました。以前に書いたものを作曲の指導を経てすっかり書き換えました。構成は主題に続いて11の変奏とコーダです。いずれも和声進行を基礎とした装飾的な旋律の変奏です。

 特徴的な変奏として、第4変奏は8分の6拍子、第7変奏は4分の3拍子と拍子が変わります。第6変奏はオクターブハーモニクス、第9変奏は速度を落してLargoとしました。第10変奏は対位法を意識してカノン風にまとめました。最後のコーダでは主題を自然的ハーモニクスで奏した後、タンボーラの特殊奏法を加えてみました。

 演奏の難しい箇所もありますが、楽しんで弾いて頂ければと願います。

 

運指・浄書協力:Oto's プロジェクト

動画はPC音源の自動演奏です。 

点字楽譜(音符法Ⅰ、和音は上から)BSEファイル 480円(楽譜番号 OT-02600)

墨字五線譜 PDFファイル 480円(楽譜番号 OS-02600) 

 

1-29 人形の夢と目覚め エステン

 

楽曲解説 

「お風呂が沸きました」でおなじみの曲です。ピアノ曲としては初級に当たりますが、ギター編曲では事情が異なります。上声部と下声部との隔たりと、連続する和音の伴奏を6弦で表現するのはなかなか困難です。

 今回は中級者版に加え初級者版と二重奏版も編曲してみました。

● Cradle Song

 子守歌です。分散和音と重音の旋律で構成されます。初級者向けの編曲では旋律を単音としましたが、下声部も1拍目のみとしても良いと思います。

● Dolly Sleeps

 短3度の下属和音で「眠り」を表現しています。たっぷりと間を取って次の楽章に入ってください。

● Dolly's Dream

 音声ガイドに登録商標として登録された「夢」の部分です。

 弱起で始まる4小節の主題が繰り返された後、同名短調の副主題が現れます。主題に戻ってコーダを経て終わります。

● Dolly Awake

 弱起で始まる経過的な和音の進行です。

● Dolly Dances

 4分の2拍子の軽快な部分です。冒頭から4小節の主題が繰り返されます。はねるように軽やかに弾きたいところです。原曲ではスタッカートが指定されていますがあえて省いています。

 第32小節からはコーダに当たりますが、主題のモティーフが現れて終わります。

 二重奏版では、楽章ごとにパートを交代して演奏しても良いでしょう。また、初級版では速度記号にとらわれずゆっくり弾いてください。

  

運指・浄書協力:Oto's プロジェクト

動画はPC音源の自動演奏です。 

 

人形の夢と目覚め

 

人形の夢と目覚め(初級)

 

人形の夢と目覚め(二重奏)

  • 人形の夢と目覚め

点字楽譜(音符法Ⅰ、和音は上から)BSEファイル 240円(楽譜番号 OT-00002)

墨字五線譜 PDFファイル 240円(楽譜番号 OS-00002) 

  • 人形の夢と目覚め(初級)

点字楽譜(音符法Ⅰ、和音は上から)BSEファイル 240円(楽譜番号 OT-00003)

墨字五線譜 PDFファイル 240円(楽譜番号 OS-00003) 

  • 人形の夢と目覚め(二重奏)

点字楽譜(音符法Ⅰ、和音は上から)BSEファイル 320円(楽譜番号 OT-00004)

墨字五線譜 PDFファイル 320円(楽譜番号 OS-00004) 

 

1-30 モーツァルト ピアノソナタ K.545

 

楽曲解説 

 

ピアノ学習者が必ず通る1曲です。ピアノ曲としては構成も単純で短く、技巧的にも難易度はそれほど高くはありません。

 しかし、ギターに編曲しようとすると話は違います。まず分散和音の伴奏の処理、オクターブに渡るスケール、右手左手の掛け合い、そして装飾音と。原曲のイメージを保ちながらいかに音を選ぶかが難しくそれだけに楽しい作業でした。

●第1楽章 

 ソナタ形式です。第1主題は冒頭からの4小節で、主調で登場します。スケールによる経過句に続き、第14小節から属調で第2主題が現れます。

 第29小節からは展開部で、提示部の最後のモティーフが短調で繰り返されます。上声・下声のスケールの掛け合いで進行します。通常は主調の第1主題を導くため、展開部の最後は属和音になりますが、この曲では異なっています。

 再現部は第42小節からですが、第1主題は主調ではなく下属調で現れます。提示部と同様に経過しながら第59小節に第2主題が主調で現れて終了します。

●第2楽章

 複合三部形式で書かれています。一貫して分散和音に乗った旋律で進行します。

 冒頭から4小節が主題です。第16小節からは属調で少し変化した旋律が現れ第9から16小節が繰り返されます。

 第33小節から第48小節までは同名短調で転回します。第49小節から主調に戻り小さなコーダで終了します。

●第3楽章

 ロンド形式です。冒頭から第8小節が主部で、主題は軽やかな和音が上声・下声(原曲では右手左手)で奏されます。原曲ではスタッカートが付いていますが除いています。

 第8から第20小節が第1エピソードで、属調で転回します。第20から第28小節は再び主部に戻ります。

 第52小節までは同名短調の第2エピソードです。上声・下声の組み合わせが変化しています。

 フェルマータで気分を変えて主部に戻り、短いコーダで終了します。

 

運指・浄書協力:Oto's プロジェクト

動画はPC音源の自動演奏です。 

  • モーツァルト ピアノソナタ K.545 第1楽章

点字楽譜(音符法Ⅰ、和音は上から)BSEファイル 320円(楽譜番号 OT-000051)

墨字五線譜 PDFファイル 320円(楽譜番号 OS-000051) 

  • モーツァルト ピアノソナタ K.545 第2楽章

点字楽譜(音符法Ⅰ、和音は上から)BSEファイル 320円(楽譜番号 OT-000052)

墨字五線譜 PDFファイル 320円(楽譜番号 OS-000052) 

  • モーツァルト ピアノソナタ K.545 第3楽章

点字楽譜(音符法Ⅰ、和音は上から)BSEファイル 240円(楽譜番号 OT-000053)

墨字五線譜 PDFファイル 240円(楽譜番号 OS-000053) 

 

1-31 ブラームス ハンガリー舞曲第6番

 

楽曲解説 

 人気のピアノ連弾曲です。ギター編曲譜が見当たらなかったので自身で試みることにしました。

 調子をニ長調とし、6弦を下げて音域を確保しました。多くの音の中から選び出す作業を楽しく進めました。速度や強弱を思うように変化させながら弾いていただければと思います。また、装飾音は省いて演奏してもかまいません。

 第1から第21小節が第1部です。第1小節のフェルマータはたっぷり取って、わずかずつ早めながら繰り返します。第22から第42小節が第2部です。第33小節以降に現れる3連符はあわてずに、第40小節の2拍目のタイの付いた4分音符を充分に保ってください。

 第43から第51小節は短調の部分ですが、急がずに特に第43小節、第47小節の二つの4分音符はしっかり踏みしめるように弾いていただければと思います。第52から第60小節は対照的に少し軽やかに弾いてください。

 第61小節から第122小節は第1部、第2部のくりかえしです。第123、第124小節の終止の和音は強くはっきりと弾いてください。

 

運指・浄書協力:Oto's プロジェクト

動画はPC音源の自動演奏です。 

  • ブラームス ハンガリー舞曲第6番

点字楽譜(音符法Ⅰ、和音は上から)BSEファイル 320円(楽譜番号 OT-000060)

墨字五線譜 PDFファイル 320円(楽譜番号 OS-000060)  

 

1-32 「きらきら星」変奏曲 Op.67

 

楽曲解説 

  有名な「きらきら星」を主題とした変奏曲です。元は18世紀のフランスのシャンソン「あのね、お母さん」ですが、「きらきら星」の方が通りが良いようです。

 モーツァルトの大きな変奏曲が有名です。

 作曲の指導を受けていた際に、10の変奏を持つ曲を作っています。今回は、もう少し気軽に手をつけていただきたいと、規模を小さくし技術的にも弾きやすい様にまとめてみました。小学校の福祉講座の中で初演しています。

 主題はモーツァルトのそれに準じていますが、装飾音は省いています。第1から第8小節と第17から第24小節はまったく同じです。急がずに一つ一つの音を聴かせてください。上昇下降に合わせて少し強弱を付け、第13から第16小節の繰り返しは控えめに弾いてください。

 第1変奏は三連符の旋律を和音が支えます。第2変奏は16分音符の旋律に低音を合わせます。

 第3変奏は同名短調になります。オクターブ・ハーモニクスとナチュラル・ハーモニクスで演奏します。

 第4変奏は対位法的手法です。スタッカートを歯切れ良く弾いてください。

 第5変奏はアルペジオです。ポジション移動に注意しながら滑らかに演奏してください。

 そのままコーダに入ります。第151小節の上昇フレーズは慌てずに、続く休符を充分保って終えてください。

 

運指・浄書協力:Oto's プロジェクト

動画はPC音源の自動演奏です。 

  • 「きらきら星」変奏曲 Op.67

点字楽譜(音符法Ⅰ、和音は上から)BSEファイル 320円(楽譜番号 OT-06700)

墨字五線譜 PDFファイル 320円(楽譜番号 OS-06700)  

本文終わり